沼津・橘水産の旨みがギュッと詰まった干物


11-216-00

2011/04/04 作成

11-216-ttl01

伊豆半島の付け根に位置する沼津は、静岡県内でも有数の港町です。新鮮な魚介を使った水産加工業もとても盛んです。特に干物の歴史は江戸時代まで遡るといわれているほど。干物は、もともと駿河湾でとれる新鮮な魚介類を家庭で保存するための手段だったといわれています。現在では「干物といえば沼津」といわれるまでになっています。そんな干物が旨いことで有名な沼津で、橘水産は親子二代で干物を作っています。干物を毎日の食卓に並べてほしい、そんな想いから着色料、防腐剤などは一切不使用です。鮮度の良い魚を手作業で肉を崩さないよう丁寧に開き、塩と乾燥のみで旨みを凝縮。塩分も控えめにし、魚の旨みがしっかり味わえるように仕上げています

11-216-ttls01

11-216-01
橘攝子さん、泰正さん親子

原料となる魚が新鮮
橘水産は沼津港と魚市場まで車で約5分という近い場所にあり、いつどのような魚が市場に入ってくるかなどの情報も常に入ってきます。そのため、より新鮮な魚を仕入れることができます。仕入れから加工、卸販売までを一貫して行っているので、原料魚の吟味はもちろん、いかに鮮度を保つかといったことまでを自分たちで管理することができます。旬の時期に水揚げされた沼津近海の魚を仕入れると、すぐに-40℃の巨大な冷凍庫に保管します。そして干物を作る当日の朝に必要な分だけ解凍し、常に新鮮な原料を使って干物を作っています。さらに橘水産では天災などで電気がストップしても冷凍庫を稼動させることができる自家発電機を準備しています

11-216-02

魚の旨味を最大限に活かす
旬の時期に漁獲した魚をまとめて仕入れているので、脂ののりや旨みはぴかいち。さらに仕入れの際、鮮魚の色艶を保つための薬品などが使われていないものを厳選しています。干物を作るときは、着色料、防腐剤などは使わず、塩分も控えめにし、魚の旨みを存分に活かした干物作りをしています
魚の種類によって身の柔らかいものや固いものがあります。魚を開いたり、洗う作業は魚種によってやり方が違い、身が柔らかいものほど手作業で丁寧な作業を行っています。また塩漬けの時間も魚の大きさや厚みによって様々です。ベテランのスタッフが程よい塩加減に仕上がるようしっかりとチェックをしています

11-216-03

魚が生息する水温に近い温度で干す
その温度は約18℃。干物を美味しく仕上げる温度だそうです。温度が高いと脂が酸化するなど、美味しさに影響が出てきます。乾燥するときだけではなく、魚をさばくとき、塩漬けにするときも18℃前後の中で作業をしています
橘水産では衛生面や一定した美味しさの干物を作ることを考え、機械乾燥をメインに、気候条件が合えば天日干しを併用しています。現代のニーズに合わせながらも伝統的な干物の製造方法を大切にしています

11-216-ttls02

11-216-04

【まあじ干物(中)】 3尾
【まあじ干物(大)】 2尾
干物といえば“あじ”。橘水産のあじは腹開きです。身が厚く、食べるとしっかりとしたプリプリの肉質がわかります。強火で身からキツネ色まで焼き、皮の方を少し焦げ目がつく程度に焼いてどうぞ。皮まで美味しく食べられます

11-216-05

【きんめだい干物】 1尾
三陸産のふっくら肉厚なきんめだいで作りました。鮮やかな朱色で、身が締まり、旨味がギュッと詰まっています。適度に脂が乗っていて、臭みもクセもなく食べやすいです。中からどんどん旨味が出てきます
1尾が少し大きめなので食べ応えもあり、その外観からちょっとしたお祝い事、贈り物にもおすすめです

11-216-06

【えぼだい干物】 2尾
九州近海産のえぼだいを、再製塩に漬けて乾燥させました。脂が適度にのり、旨味の詰まった美味さは、高級干物として知られています
身はふんわりと柔らかく、クセのない味わいが特長です。あじよりもさっぱりとした味わいをしています。焼きたてのアツアツをどうぞ

11-216-07

【かます干物】 2尾
静岡、九州産のかますを再製塩に漬けて乾燥させました。身がやわらかく、水分を多く含むかますは、干すことで旨みが増す魚といわれています
ホクホクの食感で、白身に適当な脂がのっています。絶妙な塩加減と相まって甘みと旨みが口の中に広がります

11-216-08

【さば塩干】 2枚
静岡県沼津近海で漁獲された旬の肉厚なさばのみを使用しています。ほどよい脂のりで、肉厚でふっくら柔らかいです。ちょうどよい塩加減なので、ご飯との相性も抜群です。解凍後、強火で身の方よりきつね色になるまで焼き、裏返して皮側を焼いて、アツアツをどうぞ

11-216-09

【はりこ丸干】 80g
静岡県沼津に水揚げされた、秋刀魚の幼魚、はりこ(針子)を再製塩のみで丸干しにしました。新鮮な原料のみを使用しているので、頭から食べられ、骨も口にあたりません。秋刀魚ならでは味わいと小魚特有の軽いホロ苦さがあります。フライパンやホットプレートなどで両面を軽く焼いてどうぞ