茶畑の土作りから製茶までの一貫生産 依田さんの国産有機烏龍茶


11-243-00

2011/10/10 作成

11-243-ttl01

有機茶の生産者としてお馴染みの静岡・梅ヶ島の依田健太郎さんは、日本茶以外にも烏龍茶作りも行っています
烏龍茶というと、濃い茶色の水色(すいしょく)*、渋みと苦みのあるお茶、そんなイメージがあると思いますが、依田さんが作る烏龍茶はひと味違います
長年有機肥料で土作りをしてきた畑で育てた有機茶葉を使用。醗酵の具合を見極め萎凋(いちょう)させ、手作業で釜煎りして揉捻し、乾燥させて出来あがった烏龍茶は、琥珀色を思わせる明るい茶色の水色で、鼻からぬけていく上品な香りと、苦みのないすっきりとした飲み心地。緑茶に馴れ親しんだ日本人の味覚にもスッと馴染む味わいです
*水色(すいしょく)=お茶を煎れた時の色味のこと

11-243-ttls01

11-243-01

依田さんは烏龍茶作りの勉強のため台湾へ足を運び、技術を習得。台湾の製法をそのまま真似るわけではなく、日本の気候風土、茶葉に合わせた製法で国産有機烏龍茶を仕上げています
茶葉を蒸して製茶する緑茶と違い、烏龍茶は萎凋という、茶葉を萎れさせて醗酵させる工程があります。萎凋の具合は、茶葉やその日の温度、湿度でも変わってくるため、仕上がりの良し悪しは経験によるものが多く、また、このくらい醗酵したものが烏龍茶という決まりがないので、作った人の個性が出ます
依田さんは畑の土作りから茶の栽培、製茶までの一貫生産。茶葉の特性を知っているからこそ作り出せる国産有機烏龍茶、ぜひお試しください

11-243-ttls02

11-243-03
11-243-04
11-243-05

(1.)茶摘
長年に渡り梅ヶ島で栽培されてきた在来種の二番茶を使用。茶葉に含まれる窒素が「萎凋(いちょう)」の進行を妨げるため、窒素含有量の多い一番茶より、窒素の抜けた二番茶のほうが烏龍茶作りには適していると依田さんは考えています

(2.)天日干し
その日の気温・湿度を見極め、日光に当てながら葉を萎れさせる

(3.)萎凋(いちょう)
葉を醗酵させて、香り、風味を出す。味の決め手となる重要な工程。茶葉の具合を見て、細かな温度管理が出来る機械での萎凋や、手で撹拌しながらの萎凋を組み合わせて行っています

(4.)釜煎り
加熱することで葉の醗酵を止め、直火で煎って香ばしさを出す。また、余計な水分を飛ばすことで、揉捻時に玉になることを防ぎます

(5.)揉捻
揉んで葉の組織を壊し、細く捻りあげてお茶の味を抽出しやすくする

(6.)乾燥
しっかりと乾燥させて、茶葉に風味を閉じ込めます

出来あがり

11-243-ttls03

11-243-06
依田健太郎さん・茶畑にて

依田さんの茶畑は、静岡市街から北へ40kmほど行った、安倍川の上流域、梅ヶ島にあります。朝晩に発生する霧と気温差が美味しいお茶を育てる銘茶処として古くから知られています
依田さんの祖父の代から30年余り続く有機の茶畑には、多様な微生物や虫が棲み、それぞれが互いにバランスをとりながら生きています。それにより害虫や病気の大量発生がなく、長年の土作りによる豊かな土壌が健康的でおいしい茶葉を育てています
体格がよく、豪快な依田さんですが、「おれは草取りが好きなんだ」と話していたことが印象的でした。有機茶の栽培に適した環境はもちろんのこと、依田さんの日々の努力がおいしい茶葉を育てているのです

11-243-ttls04

お気に入りの茶器に茶葉をひとつまみ。お湯を注いで、約3分、ゆっくりと茶葉が開いていくとともに、やわらかな香りが立ち上ります
味ではもちろん、煎れている時間もゆったりとしたリラックスタイムが楽しめます。ほっと一息お茶の時間や、食事茶として和食・中華に限らず、洋食・イタリアンにもよく合います

11-243-07

【国産有機烏龍茶】100g
依田健太郎(静岡)
静岡県・安倍川の最上流、静岡市梅ケ島の標高800mの茶畑で栽培された、在来種の有機茶葉を使用。上品な香りと、渋みの少ないすっきりした飲み心地が楽しめます
茶葉を多めに使って濃いめに淹れて、お湯や水で割りながら飲むのもおすすめです

11-243-08

【有機烏龍茶ティーバッグ】3g×15
依田健太郎(静岡)
【国産有機烏龍茶】を外出時や、時間のない時に便利なティーバッグにしました
お湯で出すのはもちろん、茶葉を細かく加工しているので、水出しでも楽しめます。水500mlあたり、ティーバッグ1袋が目安。冷蔵庫に約2時間置いておくだけで、スッキリとした味わいの烏龍茶が楽しめます

11-243-ttls05

依田さんは有機茶のほかにも山のきれいな水を活かしてわさびも作っています。わさび田は依田さんのお宅から山に向かって車で10分、さらに渓流沿いの道を15分程さかのぼったところにあります。依田さんの祖父が段々に石を積んで作った70枚ものわさび田です。わさび田のすぐ横を夏でも冷たい綺麗な川が流れ、そこから田に水を引き入れています。この水が美味しいわさびを育てます

11-243-09

【生わさび】1本
依田健太郎(静岡)
安倍川の源流域の清流を使い育てました。収穫まで2年かけて育てているので、味も香りも抜群です。風味豊かな辛味がしっかりとあり、鼻から抜けていく独特の香りが楽しめます
そばなどの薬味や、わさび漬け、すりおろして味噌と和えたわさび味噌などにもどうぞ。使いきらなかった分は冷凍保存も出来ます