羊の飼育から羊肉の加工まで一貫して手がける 北海道・茶路めん羊牧場


11-251-00

2011/12/05 作成

11-251-ttl01

茶路めん羊牧場は、北海道白糠町で羊の飼育から羊肉の加工・販売までを手がけています。代表の武藤浩史さんは1987(昭和62)年に北海道に入植し、牧場を開設しました。現在は、15haの放牧地で約700頭の羊を、非遺伝子組換えの自家配合飼料を与え、できるだけ放牧を生かしながら飼育しています
こうして飼育した羊を、茶路めん羊牧場では生後6~15ヶ月齢でラム肉に仕上げます。肉質はとても柔らかく、風味もマイルド。焼肉用スライス肉や骨付きステーキ肉など、これから迎えるクリスマス等のパーティーシーズンの食事にもおすすめです

11-251-ttls01

11-251-01
11-251-02

茶路めん羊牧場のある北海道白糠町は釧路の西隣。雌阿寒岳のふもとから太平洋に流れる茶路川の河口から10kmほど遡ったところに牧場はあります。冬の降雪量は少なく、夏は涼しい、草資源に恵まれた羊の飼育に比較的むいている地域です。牧場では約700頭の羊を飼育していて、主な品種は、顔と手足が黒い「サフォーク種」、白い顔にピンクの鼻の「ポールドーセット種」の2種です
羊の飼育について
飼料は大豆、小麦、ビートパルプなどを自家配合しています。ほとんどが北海道を中心とした国産のものを使い、遺伝子組み換え飼料は不使用です
夏季は親羊と一部の子羊は、できるだけ放牧を生かして飼育しています。肥育期の子羊は、開放式の畜舎で運動できるパドックを確保しながら牧草と自家配合飼料で育てています。放牧もただ放し飼いにするのではなく、放牧地を柵で小牧区に区切り、草や羊の状態にあわせて各放牧区を数日の間隔で移動させながらローテーションします。そうすることで、羊はきれいに草を食べ、草地は適度な放牧圧(放牧の密度)が掛かり羊が食べやすい短く栄養価の高い草を維持します。また、羊の糞尿も万遍なく撒き散らされ、土にも栄養がいきわたります。こうして育った羊は、生後6~15ヶ月齢でラム肉に仕上げています

11-251-03
11-251-04
11-251-05

《生産者便り》
羊は家畜として一万年以上も人間とともにくらし、その衣食住を賄ってきました。日本では明治以降の歴史でしかありませんが、農政の間で翻弄されながら、昭和30年代に既に完全自由化非課税品目として事実上捨てられたにもかかわらず、その多面的な価値を見出す人々の熱い思いに支えられ、わずかに生き残り続けてきました。TPPが社会問題となっていますが、これは農業対輸出産業の対立軸や食料自給率の維持ということだけが問題なのではなく、何があっても農というcultureを大切に思う意識の有無、農の生み出す風景の美を感じる感性、そのことを国民に問いかけているのだと思います。私も経済に翻弄され、理想よりも眼前の問題に悩まされている日々の中、なぜ羊を続けているのか分からなくなることもありますが、日本にも実は多くの羊ファンがいて、生産物を販売するという行為がその羊に対する価値観の一部を共有しているように感じさせられます。そのように感じられる、感じてもらえる限りは、日本にわずか一万数千頭の羊にも存在意義はあるのかもしれないし、自分がこの仕事を続けている意味もあるのかもしれない
羊に興味を持って33年、羊飼いとなって23年。今まで羊肉を食べたことのない人に美味しいと言っていただくこと、羊好きの料理人に内臓や脳味噌を提供して、感謝されると本当に嬉しいです。羊肉は日本ではまだ馴染み薄いかと思いますが、今まで使ったことのない方にはあまり羊料理と意識しないで、まずは豚や牛で作っている普段の肉料理を羊肉にかえて試してみてください。実は今作っている料理は元々は羊が使われていたなんて驚くものもあるのです。たとえば餃子やしゃぶしゃぶは中国では羊肉を使うのは当たり前のことです。また、肉だけでなく衣食住各所で羊の世話になっていることは実は多いのです。羊の靴下、羊毛布団、羊の石鹸、などもこれからご紹介して、羊生活を楽しんでもらえるようになればと願っています
茶路めん羊牧場代表 武藤浩史

《北海道/茶路めん羊牧場 羊肉・自家配合飼料・牧草の放射性物質検査分析結果》
放射性ヨウ素(I-131)、放射性セシウム(Cs-134,Cs-137) : 不検出 (検出限界1Bq/kg)
■検査機関 : 同位体研究所
■検査法 : ゲルマニウム半導体検出器 γ線スペクトロメーター等による精密核種検査

11-251-ttls02

羊肉は旨味成分のイノシン酸や脂肪燃焼効果があるとされるカルニチン酸など各種アミノ酸が含まれ、鉄分、ビタミンB群も豊富です。アレルギー体質の方にも効果があるといわれ、中国では昔から身体を温める肉としての薬膳効果が知られています。肉質は柔らかく風味もマイルド。牛肉と同じく、ミディアムレアでも食べられます

11-251-06

【ラム焼肉用スライス】 300g
茶路めん羊牧場(北海道)
モモ・カタ・バラ肉をバランス良く盛り合わせました。すべて手切りしています。少し厚めのスライスですが、ラム肉は柔らかいので、適度な食感が楽しめます まずは塩胡椒でシンプルにどうぞ。焼肉のタレなどをあわせる時は、羊肉には少し酸味の効いたタレが相性が良いです

11-251-07

【ラム骨付きステーキセット】 300g
茶路めん羊牧場(北海道)
リブロース[不足の場合はロイン(ロースヒレ)]を骨付きでカットして、ラムチャップとスペアリブにしました。焼く前に常温に戻し、塩胡椒して、強火のフライパンでしっかり焼き色をつけ、火を落とし好みの焼加減に仕上げます。骨付きステーキは肉が縮まず焼け、骨からの旨味もでて、骨の皮膜が香ばしく仕上がります。その皮膜まで歯でこそげ落として食べるのが醍醐味です

11-251-08

武藤さんおすすめレセピー「ウンブリア風ラムステーキ&ロースト」<材料>
骨付きステーキセット300g、エキストラバージンオリーブオイル100cc、にんにく大1片、 ローズマリー生2本(乾燥ホールでも良い)、塩胡椒適量、レモン

<作り方>

  1. ラム肉を、スライスしたにんにく、ローズマリー、オリーブオイルでマリネしてラップをかけて一晩置く
  2. 肉を常温に戻し、焼く直前に塩胡椒する
  3. フライパンにオリーブオイルを多めにひいて熱し、強火で肉は動かさずにしっかり焼き色をつけて、裏返す。裏側も同様に焼き、火を止めてしばらく余熱を通す
    ※ にんにく、ローズマリーは一緒に焼いてもいいが焦げる前に取り除く
  4. 温めておいた皿に盛り、お好みでレモン汁を振りかけてどうぞ
11-251-09

【ローズマリー】 5g
ハーブスマン(茨城)
有機ローズマリーを自然乾燥させました。葉を細かく砕いていないので、香りが豊かです。シソ科のハーブで、すっきりとした香りをもち、消化促進や抗酸化作用があるとされます。鶏肉や羊肉、じゃが芋などの料理によく合います。お菓子作りや紅茶・ハーブティーにブレンドするのもおすすめです
放射性物質検査分析結果 : 不検出(検出限界20Bq/kg)