2012/01/09 作成
ゆでた大豆をこうじと塩の力を借りて醗酵させる味噌は、日本の食卓に欠かせない伝統的な食品です。醗酵により大豆のたんぱく質が分解され、吸収しやすくなり、旨みが増します。同じレシピでも、毎年違う風味に仕上がるのが手作りならではの面白さです。寒さがが特に厳しい大寒を過ぎると、空気中に雑菌が少なくなり、麹や仕込み味噌がスムーズに醗酵します。半年ほどじっくり寝かせて好みの味に仕上げましょう
また、今年は話題の「塩麹」づくりにもチャレンジしてみませんか? こうじは、“さ・さしすせそ”に続くもう一つの調味料。塩と合わせて「塩麹」、ご飯と合わせて「甘酒」、醸すだけで醗酵調味料の出来あがりです
伝統的な醗酵食品づくりを楽しみながらチャレンジしましょう!
仕込んだ味噌は、6ヶ月を過ぎたころから食べることができ、1年ほど熟成すると味に深みが出てきます。玄米こうじは長期熟成向きで、1年半~2年が食べ頃の目安です。好みの味に熟成したところで密封容器に入れ、冷蔵庫で保存することで熟成速度をおさえることができます
<材料>
大豆…1kg
こうじ(米・玄米・麦共通)…1kg
塩…450g
種汁(大豆の煮汁)…200cc
<その他用意するもの>
焼酎(乙類/35度以上)、保存容器(寸胴タイプのカメやホーロー製のもの)、豆をつぶす道具(すり鉢、フードプロセッサーなど)、非塩素系ラップ、落とし蓋
<作り方>
- 一晩(8~10時間)水にひたした大豆を鍋に入れ、たっぷりの水でアクを取りながら4~5時間煮る
※むけた大豆の皮は吹きこぼれの原因になるので取り除いておく。指でカンタンに潰せるくらいまで煮るのが目安 - こうじと塩をかたまりがなくなるようにまんべんなく混ぜる。出来上がったものを「塩切りこうじ」と呼ぶ
- 煮大豆が冷めないうちに、塩切りこうじを均一になるように混ぜ合わせる
※大豆の煮汁は、材料にある「種汁」になるので、捨てずに取っておく - 材料をつぶす。すり鉢やフードプロセッサーなどを使うと便利。よくつぶせば、口当たりのなめらかな味噌に、粗めにつぶせば、大豆の粒の残ったワイルドな味噌に仕上がる
- つぶした大豆に種汁を加えて、ハンバーグの種程度の固さにする。それをお団子状にしてカメ(保存容器)にたたきつける
- 最後に表面を平らにならし、焼酎を吹きかけラップを貼り付ける。落とし蓋をのせ、ほこりが入らないように布や紙をかぶせる
※落とし蓋がない場合は、漬物石などを代用してもよい - 風通しがよく、直射日光が当たらない場所で保存し、つゆ明けに切り返し作業をする
※切り返し作業=表面のカビをとり、カメ(保存容器)の中の味噌をかき混ぜること。この後は、重石の必要はありません
塩麹とは、東北地方などで古くから使われてきたこうじと塩と水を混ぜて熟成させてつくる旨みたっぷりの万能調味料&漬け物床です。“食材のおいしさを引き出す”“食感をやわらかくする”“活きた酵母菌や乳酸菌、酵素を身体に取り入れることができる”といったさまざまな特長から注目されている万能調味料。おおまかな分量でつくりやすく、寒い時期は常温で保存もできるので扱いも簡単です
<材料>
こうじ(米・玄米・麦共通)…300g
塩…200g
水…300~350cc
<その他用意するもの>
タッパーなど蓋付きの容器
<作り方>
- こうじと塩がなじむようにしばらく混ぜ合わる
- 容器に入れ水をひたひたになるまで入れ、フタをゆるめた状態で常温に置き、1日1回かき混ぜ空気を入れ、1週間~10日くらい熟成させる
- やわらかくなって甘い香りがしてきたら完成。冷蔵庫で保存し、半年くらいで使い切ります。保管中はかき混ぜる必要はありません
<使い方>
野菜…野菜に対し10%くらいの塩麹を野菜に塗り容器に入れひと晩寝かせます。即席の場合は、適当な大きさに切り、ビニール袋などに野菜と、その10%くらいの塩麹を入れ、揉んだら出来あがり。洗い流さずそのまま食べることができます
肉・魚…表面をうっすら覆う程度塗り、1~2時間ほど置いた後、塩麹を洗い流さずにそのまま焼きます
その他…塩麹1:オリーブオイル2の割合で合わせてドレッシングなど、様々な料理に塩と同じように使えます
【有機大豆】300g/1kg
中里町自然農法研究会(青森)/ポラン オーガニックフーズ デリバリ(東京)
甘み・旨みが強く、風味豊かな大豆です。味噌づくりはもちろん、煮豆にするとふっくらやわらかく煮あがります。生産者・中里町自然農法研究会代表の三上新一さんは、1962年の就農以来、有機農業に取り組んでいます。2009年全国農業コンクールグランプリ・毎日農業対象受賞、2010年には、第48回農林水産祭農産部門天皇杯受賞。その技術と経営には定評があります
【有機米こうじ】1kg
【有機玄米こうじ】1kg
【有機麦こうじ】1kg
やさか共同農場(島根)
こうじとは蒸した穀物にこうじ菌と呼ばれる微生物を繁殖させたもの。こうじ菌は室町時代から続く京都「菱六」製を使用しています。3種類とも、島根県やさか共同農場で有機栽培された米や麦を使用。米こうじは醗酵がうまくいくので初心者向き。麹を買って、すぐに仕込まない方や、味噌を仕込んだけど余ってしまった方は、密封し冷凍保存がおすすめ。 半年近く日持ちします
【海の精(赤ラベル)】170g/350g
【海の精漬物塩】1.5kg
海の精(東京伊豆大島)
伊豆大島の海水でつくった純国産の自然海塩。立体式塩田に汲み上げ、風と太陽熱を利用して濃縮した海水を、釜で煮詰めました。ただ塩辛いだけでなく、ほのかな甘味や苦味、酸味があります。【海の精漬物塩】は、【海の精(赤ラベル)】より精製の工程を減らした徳用品。味噌づくりや漬物づくりに最適です
【カンホアの塩(石臼挽き)】500g
カンホアの塩(東京)
原料はベトナム カンホア・プロヴィンス、ホンコイ村のきれいな海水を、南国の天日と自然風のみでゆっくり濃縮・結晶させ、溶けやすいように石臼で細かくひきました。塩の味がより出るシンプルな味付けのお料理に最適です。天ぷらのつけ塩、魚の塩焼き、焼き鳥、サラダの振り塩や野菜の塩もみなどに
【切り立ちカメ 蓋付き】2号/3号/4号/5号/8号
【落とし蓋】小/中/大/特大
ヤマタネ(愛知)
日本六古窯のひとつに数えられる「常滑焼」の陶器です。焼きがしっかりしていて、釉もなめらか。外気温の当たりが柔らかく、夏場も安心です。温度変化が少ないため、乳酸菌・酵母菌等の有用微生物を増殖させ、腐敗菌等の有害微生物の繁殖を防ぎます。【落とし蓋】も、接着剤を使っている合板ではなく、陶器の落し蓋を。重石より均等に重量がかかります