温かい地方から一足早く春の便りが届きました 春みかんセットと春を呼ぶ沖縄の野菜


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2015/02/02 作成

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ポランでは農薬や化学肥料を使わず自然と共生するオーガニックの生産者の作物を取り扱っています。気候やその土地ならではの特色を活かした方法で栽培された生産物です
公害病問題をきっかけに農薬の危険性を勉強会で知って無農薬のみかんの生産を始めた熊本の津奈木甘夏生産者の会が育てた春みかんセット、地元の珊瑚礁を守る自然保護活動から農業を通して島の生態系の回復に努める沖縄の生産者グループ真南風、そしてブルーファームのピーマンやいんげん。今年も温かい地域から一足早い春の収穫物が届けられました

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熊本の自然の恵みが詰まった有機柑橘セット
個性豊かな有機柑橘5kgを詰め合わせました。新しい味の発見や食べ比べも楽しめます
【春みかんセット】  計5kg
生産者:津奈木甘夏生産者の会(熊本)
伊予柑 1kg
果皮がむきやすく、甘みと酸味のバランスが良好
ポンカン 1kg
酸味は少なめ。甘み・コクがあって食べやすい
スイートスプリング 1kg
上品な香りで爽やかな甘みが特長の人気種
ハッサク 約0.7kg(2玉)
程良い甘さと酸味、かすかな苦味が美味しい
ネーブル 約0.8kg(4~5玉)
甘み・酸味ともに濃く、華やかな香りも楽しめる
デコポン 約0.5kg(2玉)
果皮はむきやすく種も少ないので食べやすい

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無農薬を続ける理由
熊本・津奈木甘夏生産者の会は、1980年代に水俣病患者とその問題に関心を持つ人々の勉強会の中から生まれました
水俣病は工場排水によって引き起こされた公害病で、環境汚染による食物連鎖によって引き起こされました
津奈木甘夏生産者の会のある津奈木町は熊本県水俣市の北隣にあり、住民の多くはその環境汚染の被害を受けたのです

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1960年代、水俣病によって近海漁業が営めなくなった住民たちは、日照に恵まれ水はけの良い斜面を活かした柑橘栽培で生計を立てるようになりました
しかし、当時は現在よりも無防備に農薬が使用され、健康被害に苦しんだ生産者も多くいました
70年代に水俣病患者、支援者が中心になって始めた医療の勉強会で、農薬が劇薬で環境も壊してしまうことを知り、自らの体験をふまえて、農薬や化学肥料に頼らないみかん栽培を始めたのです
「農薬を使うことは環境への加害者となってしまう」「自ら加害者になりたくない」との思いから、農薬や化学肥料を使わない柑橘類づくりに取り組み、97年には柑橘の流通と販売を一貫して行う組織として“グリーンネット結”も設立しました
自家園の甘夏と洗双糖だけを使って仕上げた人気商品【手作り甘夏マーマレードジャム】の製造も行っています

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【手づくり甘夏マーマレード】  155g
生産者:グリーンネット結(熊本)
自家園の甘夏と洗糖だけを使って仕上げました
添加物も水も加えず、甘夏が持つペクチンと糖分を加熱することでゼリー状にしたので、果物を砂糖で煮たジャムとは一味違います。パンにはもちろんヨーグルトやお菓子にもどうぞ

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発足30周年の現状と課題
津奈木甘夏生産者の会は今年で生産者団体として発足して30年になります。圃場は10か所、約300アールあり、そのほとんどの園地で有機認証を取得しています
現在は生産者の姉妹兄弟、仕事の合間をぬって子供や孫が手伝うなどしてまかなえてはいますが、生産者の年齢が50~80代となり、高齢化と後継者不足が深刻になってきています
「ここで、みかんを作って生きていく」と若い世代が思えるような農業と暮らしを目指し、「頑張るところまで頑張る」意気込みで柑橘栽培を行っています

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水俣病は終わっていない
また、水俣では水俣病被害の全容解明と、原因者の責任ある謝罪・賠償を求めて、胎児性・小児性世代の原告9名が、水俣病第二世代訴訟を闘っています
60年前後、海の水銀汚染が最もひどかった時代に生まれた原告は、胎児や子どものときに水銀にさらされ影響を受けました。津奈木甘夏生産者の会の生産者も原告に加わり、問題を過去のものとしないよう活動を続けています

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生産者便り
年ごとに天候が違い、生産者の体力、気力、けがをしてするべきことができなかったりといった状況の違いはありながら、毎年、何とか、程々の収穫にたどりつけることに、自然のもつ大きな包容力を感じ、また、その作物を食べて下さる方々がいらっしゃることに感謝しています
今年もどうぞよろしくお願いします

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【ピーマン】  150g
生産者:ブルーファーム(沖縄)
温暖な気候で育ったので大ぶりで皮が厚め。甘み、食べ応えがあり、加熱しても味や食感は損なわれません
カロテンやビタミンCが豊富。ピーマン特有の匂いの素となるピラジンは血液サラサラ効果があるといわれています
炒め物や揚げ物、肉詰めなどにぜひ

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【いんげん】  150g
生産者:真南風(沖縄)、ブルーファーム(沖縄)
スジもなく、食感が柔らか。ポキっと折るととても良い香りがします。サッと茹でると一層色鮮やかになり、料理を引き立てます
食物繊維が多く、ビタミンB群、ビタミンC、カロテンも含まれます。また、必須アミノ酸であるアスパラギン酸やリジンを含んでいるため、疲労回復や美肌効果が期待できます

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環境に負荷をかけない取り組み
温暖な気候を活かす沖縄の生産者

真冬でも化石燃料を焚いてハウスを加温しない無加温で作物を育てるなどの農業を行うことで、環境と共生する昔ながらの農業を守る生産者がいます。自然保護活動から始まった真南風、土地本来の土壌を活かした農業を営むブルーファーム
作付け段階で厳しい干ばつに見舞われたり、季節外れの強風で施設、作物に被害が及ぶなど、播種・定植段階からきびしい環境の今シーズンでしたが、生産者たちの頑張りで無事、生産のピークを迎えることができました
この時期に、無加温で栽培し出荷できることが沖縄の最大の魅力です
春を先取りした沖縄の野菜をぜひ、お楽しみください

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自然保護活動から始まった真南風
「真南風」(まはえ)は「石垣島白保の珊瑚礁とその豊かな環境を次代に引き継ごう」という願いからスタートした沖縄の生産者グループです
石垣島の珊瑚礁を守る自然保護活動を通して、農薬や化学肥料に頼らないで環境と共生する農業を行うことが島の生態系の回復にもつながるという考え方を基本としました。そして、沖縄農業の在り方についても模索してきたのです
沖縄の土壌は痩せた赤土で、作物を育てることは簡単ではありません。本土の栽培技術をそのまま取り入れてもうまくはいきませんが、試行錯誤を繰り返すことで手応えをつかんできました
台風あり、干ばつあり、年中病害虫にも悩まされます。これでもかと次々にやってくる荒波を笑顔ではね飛ばし道を拓いてきた頼もしい作り手たちが、飽くなき耐久心とバイタリティで元気な沖縄の作物を支えているのです

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土地本来の土壌を活かしたブルーファーム
ブルーファームは沖縄県宮古島で野菜を栽培している生産者です
宮古島はサンゴ礁が発達してできたと言われ、ブルーファームはその土地が持っている元来のサンゴ由来のミネラル豊富な土壌と、最寒月でも平均気温が約18度と冬でも温暖な気候を活かすことで、ピーマンやいんげん、スナップエンドウ、パプリカを育てています
そして、今年よりピーマン・いんげんは有機認証も取得しました