2015/08/17 作成
とうもろこしの美味しい季節がやってきました
8月に入り最盛期を迎える清里の高原野菜。山梨県北杜市清里地区は、標高が高く、昼間は日光がたっぷりと照らし、夜は涼しい。昼夜には気温差があります。夜の低温で甘味と旨味が野菜に凝縮され、気温差によって生まれる朝露や霧により、野菜の湿度が保たれます。生産者の技術や努力、そして、この寒暖差こそが野菜が美味しく育つ大きな要因なのです

小林農場 小林力さん
とうもこしをはじめ、モロッコいんげん、キャベツなどの高冷地野菜を作る小林さん。畑は標高1100mにあります。小林さんが農業を始める際、単なる農業ではなく、人のやらない事をやりたいと考え、有機農業を始めたそうです
今では地元の仲間たちと有機野菜の直売所をオープンさせるなど、精力的に活動しています

平良次男さん
有機農業を始めて20年になる平良さんは、有機農業の楽しさを「目に見えない微生物との駆け引きで、直感に頼る仕事だ」と言います。培ってきた経験と技術を活かし、毎年美味しいとうもろこしや玉ねぎを作るだけでなく、清里にすっかり根付いた直売所をオープンさせたり、これからの日本の有機農業を支えていく若い力を育てるために研修生の受け入れを積極的に取組むなど、有機農業を広めるために積極的に活動しています

【とうもろこし】 1本 / 2本
生産者:小林農場(山梨)/立野健(山梨)/平良次男(山梨)
昼夜の寒暖の差に比例してとうもろこしの甘みも旨みもアップします。お盆過ぎの8月下旬から収穫の最盛期を迎えた頃、糖度も一段と増します。糖質やビタミンなどが豊富に含まれているので、夏場の栄養補給にもぴったり。また、とうもろこしは鮮度が肝。時間が経つにつれ甘みが失われていきます。購入後は、早めにお召し上がりください

【モロッコいんげん】 200g
生産者:小林農場(山梨)/立野健(山梨)
モロッコいんげんはさやいんげんの品種の1つで収穫までの期間が短く、1年に3度も収穫できることから三度豆とも呼ばれています
すじがなく、鞘の幅が広いのが特長です。見た目よりもやわらかく、特有のおいしさがあります。火を通すと鮮やかな緑色になり料理の彩りにも最適。スジとりの必要もなく、煮物、炒めもの、揚げもの、和え物など様々な料理に使えます
とうもろこしとシャキシャキ食感のキャベツをかつお風味のマヨネーズドレッシングであえるだけ、手早くかんたんに作れる和風サラダです

和風コールスロー(4人分)
<材料>
とうもろこし…1本、キャベツ…300g、人参……1/2本、塩…少々
<ドレッシング>
マヨネーズ…大さじ3、サラダ油…大さじ1、万能酢…大さじ1、洗糖…小さじ1、粉かつお…小さじ2、塩…少々
<作り方>
- キャベツと人参はみじん切りにし、塩を絡めて少しおき、水気を絞る。とうもろこしは茹でて、芯から実を外す
- ボウルにキャベツ、人参、とうもろこし、<ドレッシング>を入れ、全体に味がなじむように混ぜ合わせる

甘みのあるとうもろこしは、鳥や動物、虫の被害に遭いやすい野菜です。例えば、蛾の幼虫はとうもろこしの葉の裏に卵を産みつけます。卵から孵った幼虫は、柔らかい茎の先端部分に穴を開けて中へ入り込み、茎の中を下へ下り、穂先から実の中へと入って食べてしまいます。また、ハクビシンは鳥や虫害などと違い、穂先だけでなく、あと数日で収穫のところを中まで食べてしまいます。畑の上にロープやネットを張って対策を講じていますが、食害にあった農産物は農家で自家用にするか、破棄するしかありませんでした。そこで清里ファームでは、被害にあい出荷できない野菜を利用した干し野菜やパウダーなどの加工の製造にも取組んでいます

有機・農薬不使用栽培では、鳥や野生動物からはある程度ネットや柵など物理的防除が可能ですが、アワノメイガなどの虫害を物理的に防ぐことには限界があるため、ポランでは販売の際、とうもろこし頭頂部数センチの虫害痕は許容してくださいとお願いしています
山梨県のとうもろこし慣行栽培レベルは、防除 (農薬成分ごとの使用回数の合計) 6と、他の夏野菜に比べてそれほど多くはありません。「それなら、観光地の道の駅や直売所で買っても安心ね」と思うかもしれませんが、ちょっとお待ちください。回数が少ない=散布後の「効き目」が長いということでもあるのです
慣行栽培でよく使われる殺虫剤のセールスポイントに「速やかに害虫の摂食活動を停止させ、長い残効性を示す。灌注処理で 4週間以上、茎葉処理で 2週間以上効果が期待できる」と書かれています。更に使用時期は「収穫前日まで」とも書かれています。ご賢察の程を